研修生の1年の流れ

4月に来日し翌年の3月の帰国までの1年間、研修生は彼らの要望や適性にあわせて、農業、保健衛生、初等教育、洋裁、住民組織化、協同組合など多様な研修を受けます。また、研修を受けるだけではなく、出身の村と日本の社会を比較して、課題の分析や帰国後の活動目的を明らかにしていきます。この1年間の研修を支えてくれるのが、日本全国の草の根の指導者の皆さんや会員、支援者の皆さんです。皆さんとの交流も研修生たちの大きな学びにつながります。
*「研修生の1年の流れ」は、PHD研修生の年間スケジュールを大まかに示したものです。実際の研修スケジュールは年によって変わります。ご了承ください。
4月
研修生来日

ほとんどの研修生が飛行機に乗るのは初めて。「緊張した」、「全然問題なかった」、「入国審査に時間がかかった」など様々なエピソードがあります。健康診断を受け問題がなければ、ホームスティが始まります。

日本語研修開始

6週間、神戸YMCAにて9:30~3:00まで、日本語を勉強します。授業が終わったらPHD協会の事務所に戻り、ボランティアの方とその日に習ったところの復習を16:00~18:00まで行います。毎日日本語のシャワーを浴び、日に日に上達していきます

研修生が来日。
関西空港で出迎えます。
5月
日本語研修終了
来日報告会

日本語研修も終了し、いよいよ現場での研修が始まります。現場へ出る前に、研修生たちの国、村の様子、日本でのこれからの抱負について、スライドを交えながらお話します。

来日報告会の模様。
6月
現場研修開始

兵庫県内を中心に有機農業、洋裁、保健衛生など研修生それぞれの村の状況を考えながら研修を組んでいきます。それぞれの研修先では、ホームスティをしながら1~2週間お世話になります。遠方では島根、鳥取、愛媛、鹿児島などでも研修のお世話をしていただいています。

愛媛県松山市中島にて農業研修。
7月
現場研修
兵庫県高砂市ステップハウスにて
障がい者介護を学ぶ。
8月
現場研修
兵庫県篠山市ささやまこども園にて
幼児教育を学ぶ。
9月
現場研修
共通研修1

なでしこ歯科医院(神戸市西区):虫歯は何故できるのか、虫歯を予防するためにはどうすれば良いのかなどを学びます。

神戸市西区さなでしこ歯科医院にて
歯科口腔衛生を学ぶ。
10月
現場研修
神戸市中央区こうべ小学校の
図書館を見学。
11月
現場研修
東日本研修旅行(10日間)

岐阜、愛知、東京、山梨、長野などの各地をめぐり、地域の方との交流、今までの研修の報告、社会学習を行います。

横浜市市戸塚区
こどもの広場もみの木クラブと交流。
12月
現場研修
共通研修2

釜ヶ崎(大阪市西成区):炊き出しや夜回りにボランティアで参加したり、釜ヶ崎の歴史や現状について学びます。淡路島モンキーセンター(兵庫県洲本市):残留農薬の害やコミュニティについて学びます。

淡路島モンキーセンターでの研修。
1月
西日本研修旅行(約2週間)

西日本の各地で社会学習や地域の人たちとの交流会を行います。水俣では水俣病やその後の地域の人たちの取り組みについて、筑豊では筑豊炭田の閉鎖により、失業し生活保護を受けるようになった人たちの状況について、そして、広島では被爆者の方からお話を伺い平和、戦争について学びます。そこから自分たちの村が将来どのようになっていけば良いのか考えます。

広島平和記念資料館にて原爆の惨禍と平和について学ぶ。
2月
現場研修
共通研修3
帰国報告会

日本での研修が終了。帰国を前に研修生たちの今までの研修内容、現場で考えたこと、村に帰ってからの抱負などをお話します。

帰国報告会にて
修了証を受領する研修生たち。
3月
研修生それぞれの国へ帰国

1年間の研修が終了し、それぞれの村へと帰ります。

研修生帰国。