ネパール カブレパランチョーク郡 2015年ネパール大地震震災復興支援
ネパール大地震復興支援にご協力いただきありがとうございました
2015年4月25日正午前にネパールをマグニチュード7.8の地震が襲い、PHD研修生の活動するカブレパランチョーク郡も大きな被害を受けました。ここではこの地域を中心としたPHD協会の4年間に渡るネパール大地震被災地復興支援活動についてご報告します。ネパール地震復興支援は阪神淡路大震災を経験した神戸市民と兵庫県民、そして日本全国の皆さまにご協力いただきました。
犠牲者数:8,891人 全壊家屋:605,000棟 損害家屋:288,000棟
避難民(最大):189,000人(出展 国連人道問題調整事務所)
皆さまから PHD へ寄せられた支援総額 :
28,797,609 円(2017年3月まで)
内、コープこうべ様からのご寄付 :
15,237,733 円及び手数料等 :170,494 円含む
マンダンデウプール(旧名:マハデブスタン)地区
地区総支援額 7,758,674 円(2017年3月まで)
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ガハテ村への緊急救援
支援額 : 3,949,102 円
ガハテ村全世帯及びダリット(カースト最下層の不可触民。被差別階層) の世帯( 約130世帯)にト タン、お米を提供しました。PHDの現地提携NGO「SSS」と協力し飲料水、薬、食料なども供給しました。
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命の水を届けよう、簡易水道プロジェクト
支援額 : 2,046,806 円
ガハテ村及びダリット の世帯 91世帯、約 500人に生活用水を供給しました。水管理のため現地で一人を雇用しました。
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元研修生助産師ランマヤ がんばれ!プロジェクト
支援額 : 504,895 円
現地NGO「SSS」のクリニックにおいて、2015年7月から2016年12月の期間に7,289人の被災者に医療処置を実施しました。ウルミラさん(28期2010年度)、ランマヤさん(30期2012年度)を含む 3人の助産師でお産は203件を担当しました。
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在来種銀行 -保存と活用-
支援額 : 361,187 円
20人の女性に在来農作物の種子の保存と活用方法のトレーニングを提供しました。
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ガハテ村 小学校支援
支援額 : 134,438 円
甲南高校生徒会様からの寄付を遊具として提供しました。
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ガハテとダリットを対象としたヤギ肥育プロジェクト
支援額 : 762,237 円
4つの母親グループに46頭の雌ヤギと3頭の雄ヤギを提供。ヤギ飼育トレーニングも行いました。
ロシ(旧名:マンガルタール )地区
地区総支援額 20,868,441 円(2017年3月まで)
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ジャナビジャヤ学校再建プロジェクト
支援額 : 7,814,713 円
地震により校舎が半壊し、使用不能になっ小学校。児童は屋外で授業を強いられてきましたが、PHD会員のご寄付により 4教室が再建されました。屋外での授業を強いられていた児童約200名の屋内での授業が可能になりました。
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仮設住宅建設支援
支援額 : 7,082,827 円
コープこうべ様支援のもと被災した貧困家庭220世帯にトタンなどの仮設住宅建設費用を提供しました。
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希望を紡ぐ大工と石工のトレーニング
支援額 : 1,655,145 円
大工6人、石工7人に耐震構造の建設トレーニングを提供しました。
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PHD現地提携NGO「SAGUN」に緊急救援
支援額 : 1,411,439 円
ロシ地域の開発を担うNGO「SGAUN」を通じて被災地域にテント、食料、医療品セットなどを提供しました。また、医療補助員も配置しました。
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収入創出のためのヤギ肥育プログラム
支援額 : 1,556,449 円
貧困な状況にある50世帯にヤギとその肥育プログラムの研修を提供しました。
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ECDセンターを通じた被災した子どもたちのへのサポート
支援額 : 245,466 円
現地の幼稚園にあたる施設ECDセンターで3~ 5才の子ども達13名に教育を提供しました。カンチさん(33期2015年度)が先生として活躍しています。
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将来を描く住民参加型地域調査
支援額 : 200,898 円
地域内973世帯全てを住民参加型の調査をPHD協会の支援のもとSAGUNが実施しました。住民ボランティア23人が参加、研修生になる前のミスラさん(35期2017年度)も参加しています。
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ピンタリ農業協働組合のサポート
支援額 : 743,801 円
生協総合研究所様の助成を受けて、協同組合の研修や産地直売実施のサポート、運搬用車両賃料の提供などを行いました。
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住民自身による生計向上強化を目的とした5年間の戦略的な計画づくり
支援額 : 157,702 円
ネパールPHD研修生里親制度
総支援額 1,837,311 円(2019年12月まで)
2017年からは発災から3年を経て復興支援は生活再建に重きを置く段階に入りました。しかし、飲料水や仮設住宅などの最低限の生活環境は整ったものの、生活再建への道のりは大変厳しいものがありました。乾季には水が不足して、農作物は自分たちが食べる分を作るのが精いっぱい、恒久住宅の建設も滞っており、多くの人々が安定した生活を取り戻すことができずに苦しんでいる状況でした。そこでPHDでは2017年度より、3カ年計画で「ネパールPHD研修生里親制度」を開始しました。これは被災地復興活動に従事する元PHD研修生を支援する「里親」を募集する制度です。里親になっていただいた方々の寄付をPHD研修生の活動費として活用し、同制度は成功のうちに終了いたしました。ご協力いただいた里親の皆さま、誠にありがとうございました。ネパールPHD研修生里親制度
里親 1年間1口50,000円より募集
研修生 1年分活動費 250,000円(5口分)
研修生活動費の目安は年間給与として、2万円×13ヵ月。
(伝統祭祀の際の支給賞与を含む。)管理費はPHD協会負担。
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カンチさん(2017-2019)
33期2015年度研修生。帰国後、ECDセンターと言われる、幼児教育の施設で先生として活躍中。日本で学んだ保育や口腔衛生を実践、地震後の不安定だった子ども達を精神面で支えてきました。またムクさんとも一緒にPHDの現地提携NGO「SAGUN」にて各種復興プログラムの運営も担っています。
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ムクさん(2017-2019)
32期2014年度研修生。現地NGO「SAGUN」 のフィールドコーディネーターとして多方面で活躍中。今までに緊急支援、大工トレーニング、住民参加型調査、ヤギを通じた生計向上などのプロジェクトを運営しました。地震後はショックのあまり涙する日々でしたが、今は力強く活躍しています。
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ランマヤさん(2017-2019)
30期2012年度研修生。PHDの現地提携NGO「SSS」のクリニックで助産師として活躍中。被災した自分の村だけでなく、より被害の大きな地域にも出かけ、助産活動から傷病対応まで医療者として広く活動しました。引き続き助産師として被災地域に尽力しています。
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パッサンさん(2017)
29期2011年度研修生。村の母親グループのリーダーとして活躍しました。現地NGO「SSS」のスタッフとしてダリット(不可触民)と言われる差別される人たちの中でも低いとされるサルキ(従来は皮革加工が生業)の母親グループの支援活動に従事しました。